2010年12月18日土曜日

OS_#3『てん』///開かれたままの終わり///   ドキュメント9 知る事と作りかえる事




ジェイソンの実家は昔、電気屋さんでした。だから、ジェイソンにとって、古い機械をいじる事、すこし手を加えて直すことはとても自然なことのようです。



ジェイソンの持ち物のひとつに、1979年に出版された宇宙技術の本があります。1979年は、ジェイソンが生まれた年。自分が生まれた時には既に世の中には、とんでもない技術があることを知り、その構造を理解しようとします。それは同時に、機械の仕組みを学んだり、科学技術の歴史やそれに伴う出来事に注目することにもなります。

そんなジェイソンの純粋な好奇心が、身の回りの機械で再現したり、過去の出来事を留めたり、ドローィングのコラージュとなることで、最終的に作品になっています。



アーカスでも、日本の機械や技術を知り、いじり、手を加え続けました。日本の宇宙と芸術を巡る調査、つくばにある巨大な加速器施設(KEK)での撮影、8ミリフィルムカメラ技術の取得と機材の調達などなど。それらの活動を通して出会った人の考えや、機材・メディアとの付き合い方からも、「今の古道具や昔の出来事の扱われ方」や「アメリカ人だからこその扱い方」が浮き出ます。それも、技術や歴史の変化を取り巻いて今になっているという、ありのままの現実でした。



過去を知る事で、今を把握していく。ジェイソンの作品は、自分がいる今を理解するための、実験や勉強ともいえるかもしれません。

(写真:馬渕徹 文:しむら)

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