2011年2月26日土曜日

五感の学校アートトークシリーズvol.6にて。の巻

守谷を離れてTX沿線でのイベントレポート!

2/25(金)。週末の柏の葉キャンパスはUDCK(柏の葉アーバンデザインセンター)にて行なわれた『五感の学校アートトークシリーズvol.6』を拝聴。

小田井ディレクター進行/解説のもと、3人の作家とのアートトーク。内容はアーティスト・イン・レジデンスの体験から、国内・海外にあるレジデンスの特徴や環境によって作家が得たこと、感じたことについて。「活動場所のあり方」を知るに有意義なトークでした。

小田井ディレクターから、レジデンスプログラムが与える作家や地域への影響、制作や成果展示そのもだけではなく移動生活から作家自身にどんな変化をもたらすのか、今後どのようなレジデンスが求められるか、...等々、様々な視点から三人を通じて問答が繰り広げられます。
狩野哲郎さんの事例から。国内のほか、「場に従う」ことを学べたという韓国でのレジデンス体験談をもとに自身の展示制作や過程の中で得たそれぞれの特徴などを話していました。最終的に成果展示を要する場と、そうでない場での意識の持ち方、ミッションとして限られた時間の中で制作する間に必要なことの中に
「その場にどういう人たちがいるのか、縁がありそうな人と出会いたい」という言葉がありました。耳目の欲が滞在制作の秘訣だとか。



'99年度アーカスレジデントでもあった、さとうりささん。当時のアーカスプロジェクトでの体験が作家自身にもたらした変化や強く影響したこと、その後ヨーロッパでの滞在中に感じた都市部と郊外部の意識の特徴など。日本人のレジデント枠があった当初は、他のレジデントの世話役になりつつも多大な影響を相互に受け与え合ったそうです。旅することより引っ越し好きでもあるというさとうさんは「生活が作品を生み出す」レジデンス期間は、作家にとって「ゆっくり考える、プレッシャーを与えない時間である」とも。

南千住でアーティストが活動・運営する『A+(アプリュス)』からは齋藤知彦さん。自身も中国や米・独でレジデンス経験をもち、日本に戻りどこを拠点にするか、A+を運営するにあたりどう周りの環境とうまく恊働していくか、など興味深い実体験を話しておられました。
アーティストが集まるとそこの地域コミュニティはどうなるか、自ら獲得したアトリエとしてだけでなく、皆の集まる「居心地の良い場所」をめざすうちにアーティストが住む街になりつつある。居心地の良い場所とはどんな場所か?これが本日のキーワードにもなったようです。
その後も「作家が家庭を持ったら?、育児を必要としたら.....?」など活動場所についてレジデンスの将来的なビジョンについても膨らみました。話は尽きず、観覧参加している側も時間を忘れてお話を伺うことが出来ました。

川沿いに文明・文化が興るように何かが興ろうとしている、TX沿線、常磐線沿線、線路沿い。この地域を重ねて「居心地の良い場所に住んで創造性を高めるには」の問いかけに期待せずにはいられない二時間でした。





(text/photo:m.i.)

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